V2H機器搭載宅配ボックス付き門柱

INTRODUCTION

「V2H機器搭載宅配ボックス付き門柱」は、宅配ボックスによる再配達削減、
V2Hによる太陽光エネルギーの蓄電・使用、2つの側面からカーボンニュートラルに大きく貢献します。
どのようにして「V2H機器搭載宅配ボックス付き門柱」が出来上がったのか、
開発したニチコン(株)・(株)タカショー・ユアサ商事(株)3社の対談から探りました。

V2H機器搭載宅配ボックス付き門柱
商品の特徴

EV(電気自動車)に蓄えられた電力を家庭用に有効活用できる、V2H※システム。「充電時間の短さ」「電気代の節約が可能」「大容量の蓄電が可能」など数々のメリットがあるV2Hですが、そのままエクステリアへ設置すると無機質な印象を受けます。そこで、木目調のデザインを施した門柱(郵便ポスト、宅配ボックス、表札灯が一体化したもの)に組み込むことにより、周囲の景観に溶け込ませることが可能となりました。※V2H:「Vehicle to Home」の略

【左】株式会社タカショー商品設計第3グループ グループリーダー 鈴木 弘 様
【中】ニチコン株式会社 蓄電システム営業部 営業課 課長 石川 秀明 様
【右】ユアサ商事株式会社 スマートエネルギー部 岩﨑 武

INTERVIEW

ユアサ商事株式会社
スマートエネルギー部 岩﨑武

環境意識の高まりを追い風に市場を開拓

ひねりを加えることで生まれる
独自性を大切にしたい

岩﨑(ユアサ商事):私の所属しているスマートエネルギー部では、もともと太陽光発電や蓄電池を取り扱っていますが、ニチコンさんがV2Hという機器を世界で初めて開発・量産化されました。それを、新たな市場に展開できないかとお声がけしたのが今回の商品開発の始まりです。

石川様(ニチコン):V2H単体としての開発は、2011年の東日本大震災で、電気供給量がひっ迫したことがきっかけでした。計画停電などもありましたが、ちょうどEVが出始めたころで、EVの電気をほかで利用できないかと自動車メーカーからお声がけいただき開発したのがV2Hだったのです。

ニチコン株式会社
蓄電システム営業部 営業課 課長 石川秀明 様

まさにありそうでなかったアイデアでした

2012年には世界で初めて商品化し市場に導入いたしました。現在は、メディアを見ても太陽光発電や蓄電地、EV車など環境エネルギー関連の話題が取り上げられない日はありません。
環境意識は確実に高まっており、「V2H機器搭載宅配ボックス付き門柱」のような様々な機器を合わせた商品への注目度も上がっていくと思います。
でも、実はユアサさんから話をいただくまで、こうした複合的な商品は全く思いつきませんでした。タカショーさんのようなメーカーさんと一緒に仕事をしたことがなかったものですから、ユアサさんにつないでいただいたおかげで今回の商品にもつながったというわけです。まさに、ありそうでなかったアイデアでした。

株式会社タカショー
商品設計第3グループ グループリーダー 鈴木弘 様

異業種の出会いから生まれた新商品

緑と調和するデザインにする
お手伝いができたのでは

岩﨑(ユアサ商事):タカショーさんは、ユアサ商事の建材部で、長年お付き合いさせていただいていました。太陽光や蓄電池など、機能的な商品は、家の前に設置すると少し無機質な印象を与えてしまいます。それを、もっとぬくもりのあるデザインにできないかと、タカショーさんにご相談しました。

鈴木様(タカショー):当社は、元は竹垣などの商品を扱う造園からスタートしたものですから、庭とエクステリア、庭での過ごし方のお手伝いをする商品づくりがモットーです。今回のV2Hのような機能的な商品は専門分野外でしたが、当社では極力、お客様のご要望にお応えするために、化粧建材(エバーアートボード)では88色もの品揃えを用意しています。今回の商品では、その中から厳選した色を使用し、緑と調和するようなデザインを合わせることで、V2Hをエクステリアになじませるお手伝いができたのではないかと思います。

石川様(ニチコン):当社はデザインに関しては全くの門外漢です。今回のタカショーさんとの協働で、デザインの重要性を認識させられました。

緑と調和するエクステリア

「つなぐ」視点が高付加価値につながった

岩﨑(ユアサ商事):もうひとつは、物流の問題やコロナ禍で「置き配」が増加したこと、また在宅勤務など家で過ごすことが多くなり、今まで気にならなかった部分をリフォームする需要が増えていくと考えました。タカショーさんが、もともと宅配ボックス付き門柱を商品としてお持ちでしたので、それらをすべて集約すれば機能的であろうということで、今回のような新しい商品が生まれたわけです。
専門性の高いメーカー様2社と協働することによってアイデアを形にできるという成功体験を積むことができました。モノの流れだけを見れば、メーカー様が製造した商品をほかに紹介するというだけのつながりですが、ユアサ商事の付加価値である人・モノ・技術などを「つなぐ」視点を常に意識し、何かひとつでもひねりを加えることで生まれる独自性を大切にしていきたいと思います。

SOCIAL CONTRIBUTION